夜は続くよどこまでも

曖昧に笑っている。 大体のことは知っているつもりでいる。 誰かの代替でしかないことも。 自分の傀儡になっていたあの頃。 同じ夜を徘徊するような。 酩酊のその先に何があったのだろう。 辿り着いたゴール。再開。 最愛だったあの人。 何回やってもピース…

失った強かさについて

自分の中でなんとなく、「あ、これ、めっちゃ言いたかったことだ」ってなるツイートができる時がある。例えばそれがこれ。 高校生の時と大学生になった今でなにかが自分の中で決定的に変化していて、僕はわりとその自分自身の変化について行けていなかった。…

息継ぎ

行き詰まりの関係に息詰まった。 誰がどう見たってあなたと私はもうおわりだった。 なんとなく、小学校の時の水泳の授業の時に水中から見た、水面にうつるあのキラキラした太陽のことを思い出した。初めて25mを泳ぎ切った日のこととか、背泳ぎで頭をぶつけた…

視界不良

とても、というわけではなく眼が悪い私は、眼鏡をかけていないと世界がぼんやりしてしまう。もやがかかったような景色をなんとなく脳内で補填する。目の前のスマートフォンの文字は読めても、部屋の向かい側の壁にあるラックに並んだ本のタイトルまでは見え…

結婚について

死ぬまで人と添い遂げる感覚が全く想像できない。まだ、自分自身と一生付き合っていく覚悟さえ、できていないのに。自分の一生をなんとなく想像してみる。もしかして明日隕石が落ちてきたり、車に轢かれてしまうかもしれないから、無駄だとわかっているんだ…

せっかく生活リズムが整いかけたのに下らない諍いでまた眠れなくなってしまった。悩み事をすると眠れなくなる。馬鹿のすることである。依存しないという旗を打ち立てて生活していたが脆くも折れ、というか、自分に過度に依存してくる人間に折られてしまった…

オーディエンス

いつからかずっと自分のことを自分の斜め上から見ている感覚がある。俯瞰とか離人感とか、そういう言葉で言い表せられるような感覚。あくまで自分自身は自分の体を操作しているプレイヤーに過ぎないというか、自分の体やそれに伴う責任だったりと自分を切り…

白湯

電気ケトルに水道水を注ぎ込んでスイッチを押す。 一分ほどもたたないうちにぶくぶくと音を立てる。なんとなくそれを眺める。人魚姫の最期を連想する。明け方。どこかでカラスが鳴いている。 カチッ。という確信めいた音がお湯が沸いたことを知らせる。私は4…

Serenade

突然ですが、恋をしたことはありますか?失恋したことはありますか?眠れない夜が貴女にもありますか?ありますようにと願っています。それはそうとパクチーは好きですか?私は嫌いです。あなたはどうですか?そうですか。毎日同じ手品を見続けたらいつか飽…

浴槽

水の張っていない浴槽で一人で全裸で体操座りをしながら何かを待っている。4月の夕暮れは暖かくもなく寒くもないが、やはり全裸となると少しだけ寒い。 全くの無音、というわけではなく、安アパートのこの浴室の壁の向こうは隣の部屋のキッチンにあたるスペ…

ラストシーン

君のお下がりの毛布に包まっていたら夜が明けた。まとまらないままの荷物やままならないままの気持ちが散らかった部屋で私は1人。スマートフォンはじっと息を潜めて、カーテンの隙間から漏れた光に照らされていた。なんとなく悲しくなって放り出したあれこ…

夜間飛行

手に入らないものばかり数えていたら、夜中の3時になっていた。なんとなくカーテンを開ける。少しずつ明るくなりつつある空と干したまんまの洗濯物が春の夜の冷たい風に凍えているのが見えた。 欲しい物が手に入れた瞬間に欲しかった物になってしまうのとお…