夜は続くよどこまでも

曖昧に笑っている。

大体のことは知っているつもりでいる。

誰かの代替でしかないことも。

自分の傀儡になっていたあの頃。

同じ夜を徘徊するような。

酩酊のその先に何があったのだろう。

辿り着いたゴール。再開。

最愛だったあの人。

何回やってもピースが足りないパズルみたいだ。

界隈を賑わせたあの音楽も響かないし。

もう眠ろうかと横たわる。

安堵。アンド。安堵。バット。不安。

夜の町に風が吹いて、今なら言えるかも。

喉元につっかえた言葉。使えない映画のセリフ。

忘れるよ。

なんて言っておいて未だに忘れられない。

未練。直視できない。見れん。

夜は続く。

失った強かさについて

自分の中でなんとなく、「あ、これ、めっちゃ言いたかったことだ」ってなるツイートができる時がある。例えばそれがこれ。

 

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高校生の時と大学生になった今でなにかが自分の中で決定的に変化していて、僕はわりとその自分自身の変化について行けていなかった。置いてけぼりになっていた。

 

そして辿り着いたのがこのツイートだった。高校生の時は向き合わなければいけないことがたくさんあって、逃げ道も塞がれていた。それに、その当時逃げることで得られるものは何一つなかった。(もちろん逃げたこともあったが、すぐ、逃げたことを後悔した。)

 

大学生になって、お酒を覚えたし、授業を飛ぶことを覚えた。一人暮らしを始めて、自由な生活を得て...。なににも縛られなくなってしまった。そうすると高校生の時からずるずると自分を縛ってきたコンプレックスや呪いがゆっくりと自然に解けていくのと同時に、自分自身でそれを引き剥がそうと破滅願望とも取れる行動をとった。

 

けれど、いくつかの呪いは未だにかかったままだ。祈りも呪いも簡単には解けなくて、僕の心の底に根を張って共に生きている。

 

高校生の時はそんな呪いの中でそれでも負けないように立ち向かってうまくやりくりしていたあれこれが大学生になってからは逃げ腰になって、すぐ諦めてしまうようになった。

 

そんなことをランニングが終わった後の夏みたいな夜のぬるい空気の中でふと、思いついた。

息継ぎ

行き詰まりの関係に息詰まった。

誰がどう見たってあなたと私はもうおわりだった。

なんとなく、小学校の時の水泳の授業の時に水中から見た、水面にうつるあのキラキラした太陽のことを思い出した。初めて25mを泳ぎ切った日のこととか、背泳ぎで頭をぶつけた日のこととか、水泳の時間の後のあのなんともいえない疲労感を背負ったまま受けた授業と、教室の窓から吹く風が気持ち良かったこととか。そんなことを思い出した。

息が詰まるような関係。行き詰まった関係。

身は詰まってなくて、身も蓋もない私たちの、緩やかな逃避行は、尽く失敗してしまったみたいだ。

 

息継ぎの仕方すら知らない私は、追い求めた理想の中で沈んでしまった。

嘘と本当の波をかき分けて現実の海を漂っている。あてもなく続く漂流。

今更になって私は溺れていることに気付いた。もうどうしようもないけれど。

だからせめて、この身を心を海が飲み込んでしまう前に、あなたに伝えたかった。

それももう今となっては叶わないけれど。

 

あてどなくさまよう海中で、私は空を見上げた。水面に反射する月がゆらゆらと揺れた。

視界不良

とても、というわけではなく眼が悪い私は、眼鏡をかけていないと世界がぼんやりしてしまう。もやがかかったような景色をなんとなく脳内で補填する。目の前のスマートフォンの文字は読めても、部屋の向かい側の壁にあるラックに並んだ本のタイトルまでは見えない。けれど、どれも大好きな本だからタイトルも、著者名も言える。

今日は5月とは思えないくらいの暖かさで、ベランダと繋がっている大きな窓を全開にして過ごした。そこから吹き抜ける風が心地良くて、微睡む午後4時。やらなくちゃいけないことは山積みなのに、なんだかやる気も起きなくて。飛行機が空を切って進んでいく音が聞こえる。

音の流れていないイヤフォンをなんとなく耳につけて、世界と自分を遮断する。流れ込む情報の洪水に巻き込まれて私たちはすっかり疲れてしまっている。ずっと家にいてはそれも仕方のないことなのだけど。

もし、私の人生が小説なら...と考える。今は何ページ目なのだろうか。これから、なにか大きな出来事が起こるから今は最初のほんの数ページ目なのかもしれないし、もうとっくに起こった後で今は最後の数行なのかもしれない。そんなありきたりなことを考えながら私は、ぼんやりとした視界で本棚を眺める。

読みかけの本を丁寧に本棚に戻すのが正しい生活ならば、私はその道をすっかり踏み外した。バラバラになった本たち。それでもなんとなく、形を保っているように見えるのは、本はそこにあるだけで満たされるもの、というのをなんとなく証明しているからかもしれない。

視界不良の人生を歩んでいる。誰だってそうだ。明日のことなんてわからない。けれど、ただそこにあるだけのものに救われることがあるのもたしかで、毎日は続いていかなくとも、そうやって、ぐちゃぐちゃになった本棚みたいなものに救われる人がいるなら、私の生活は続いていく気がする。

風が吹いて洗濯物が揺れた。春のものとも夏のものとも取れる風が吹いて、私の頬を撫でた。

結婚について

死ぬまで人と添い遂げる感覚が全く想像できない。まだ、自分自身と一生付き合っていく覚悟さえ、できていないのに。自分の一生をなんとなく想像してみる。もしかして明日隕石が落ちてきたり、車に轢かれてしまうかもしれないから、無駄だとわかっているんだけれど。このままだったら、大学を卒業して、就職するだろう。そして結婚して、そこでそれなりに働いて、子供ができて、うまくいったら定年まで働いて、退職金をもらって、癌とかにかかって死んでいくんだろう。よくある、どこにでもある一生。そうやって考えると人生は虚しい。まるで働くために生まれてきたみたいで、情けなくなる。そうしないと生きていけないのはよくわかっているけれど。誰もがなんの疑いもなく送っている人生を僕も同じように送る。当たり前のことだ。だから、明日もし隕石が頭に直撃してもそれはそれで良かったと思えるような気もしている。

レールは敷かれていなくてもルールに従って生きていけばそれなりにそれなりの生活が手に入る。

 

話を戻す。そんな風に人生をなんとなく、流れゆくものでいつかはなんにも無くなってしまう存在だと思っている僕は、あまり結婚というものが想像つかない。いつかはなんにもなくなってしまうからこそ、結婚に価値があるのか。先ほど書いたそれなりの人生の中には結婚というものがぼんやりとあるが、僕が描いたわけではなく僕が今まで見てきた大人を模倣して描いたものだった。僕の周りには結婚していない大人の方が少ないから、なんとなく結婚は当たり前に思っている。けれど、自分の人生を他人に捧げ、また捧げられる。というと重いが、その半分くらいを共有する覚悟は自信はどこから湧いて出るのだろうか。

 

なんて、書いてみたけど、好きな人とは結婚したいと思ってるし、幸せへの近道なような気もしてる。なんとなく、そういう近道、みたいなのを僕は嫌っている。石橋を叩きすぎて壊してしまうような、そんな馬鹿馬鹿しさを掲げて、明日もきっと死なずに生きていくんだろうけどさ。

 

 

せっかく生活リズムが整いかけたのに下らない諍いでまた眠れなくなってしまった。悩み事をすると眠れなくなる。馬鹿のすることである。依存しないという旗を打ち立てて生活していたが脆くも折れ、というか、自分に過度に依存してくる人間に折られてしまった。どこまでも責任転嫁だが、そういう他人のことが大嫌いで大好きだ。クソだ。さっさと○んでしまった方がいい。と思って書き殴る。

人に思われてるほど優しくないが、人に思われてる以上に優しくなりたいと思ってるし、優しく思われたいと思っている。

人には好かれたいが別に人のことなんてどうだっていい。ただ自分のことを好きでさえいてくれたら後はなんでもいい。

そんな感じで生きているから当然バチが当たる。

他人の感情を弄ぼうとする人間は万死に値する。

言われなくても死んでやりますよと意気込むが、今はなんとなく時期が悪いような気がして留まる。そんなことを数回繰り返しているうちにすっかりと罪悪感に肩まで浸かってもうんともすんとも思わなくなった。

俺はこんな俺が大嫌いなんだから、を免罪符に振るう悪意の持ち主なんて本当に消えればいいのにな。

でも俺は今ただ機嫌が悪いだけなんだ。

自分で機嫌もとれないくせに?

今更なにが悪かったかわからない。

破裂したものは元に戻らない。

自分のことしか考えたくない。

人として終わってることに気づいた。

こんなこと書きたくないのに指だけが動いた。

オーディエンス

いつからかずっと自分のことを自分の斜め上から見ている感覚がある。俯瞰とか離人感とか、そういう言葉で言い表せられるような感覚。あくまで自分自身は自分の体を操作しているプレイヤーに過ぎないというか、自分の体やそれに伴う責任だったりと自分を切り離して見ているところがあって、とても都合よく生きている。人を悲しませて離れていってしまってもそれをロールプレイゲーム上のミス、みたいに捉えているし、あんまり後悔することがない。よくないんだろうなそういうのって。

でもさ、きっとなりたくてそうなったわけじゃなくて、それなりに生きている過程でそうならざるを得なかったんだよ。なんて言い訳をしてみる。結局現実逃避の成れの果てなんだと思う。

僕は僕の一番のオーディエンスなんだよな、死ぬまでずっと。